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挨拶;分子研所長 伊藤光男 分子研リポート1998 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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分子研研究会「2010年の分子科学を語る」 209

4.分子研研究会「 2 0 1 0 年の分子科学を語る」

4-1 挨拶;分子研所長 伊藤光男

我が国における分子科学の研究のはじまりが何時であった かは色々と意見の別れるところですが、かなり象徴的なもの は1930年代の水島、森野の回転異性体の研究ではないかと思 います。その後、水島門下による多彩な研究が展開され、島 内、坪井等による振動状態、長倉、馬場、田中等による電子 状態の研究、はては生体関連分野まで大きな拡がりを示しま した。一方、赤松、井口による有機半導体の研究に端を発し 物性化学の研究が大きく花開き、また福井によるフロンティ ア電子理論の創出により日本の分子科学の理論研究はノーベ ル賞で象徴されるように一躍世界の桧舞台におどりでました。

戦後の極めて困難な時代に、現在の分子科学の基礎となっ た上述の研究が芽をふき、分子科学研究の洋々たる将来に大 きく胸をふくらませたことは当時を知るものとして忘れるこ

とはできません。このような燃えるような情熱を背景に、我々の先輩が血と汗をふりしぼり分子科学研究の飛躍的発 展を期して分子科学研究所を設立されました。分子科学という言葉自体も研究所設立にあたってはじめて用いられた もので、現在では世界に広まっています。分子研設立以来23年が経過しました。燃えるような理想と情熱、さらに恵 まれた研究環境のもとで分子研発足後の10年は分子科学の研究に新風を吹きこみ、短日月のうちに分子科学研究の世 界的中核拠点としての地位を確保するに至りました。その後は安定、成長期を迎え、分子科学の分野の拡がりととも に、分子研でカバーする分野も拡がりを見せ、現在では創設時の約2倍の規模になっています。分子研のみならず、日 本における分子科学研究は分子構造総合討論会で示されるように肥大化しています。これは時代の趨勢で致し方ない ことでしょうが、この間、果たして真に独創的な研究が生まれたかどうかについては大いに疑問を感じざるを得ませ ん。現在では大学の研究環境も、分子研の特殊装置等を必要としないところまで改善しています。色々問題はありま すが、研究費もある所にはバブル的な状態にもなっています。一昔前は研究費不足が言い訳になっていましたが、今 はそれも許されなくなりました。このような状況のもとで、分子科学の研究というものを皆でもう一度改めて考えて みたいということで企画したのがこの会であります。

我々は目前に迫った21世紀に分子科学研究の飛躍的発展を切に願っています。とりあえず約10年後の2010年の分子 科学を展望したいと思います。これは当然のことながら2010年に分子科学研究を中心となって支えるであろう現在の 若い人達が何を考えているかにかかっています。それでこの会の前半は若い人にそれぞれの夢を語っていただくこと にしました。この会は語るのが目的ですので、一方的な発表ではなく皆と自由にきたんのない意見を述べあう会にし たいと思います。脱線は大いに歓迎します。また今晩は皆さんに分子研の今後の在り方について討論していただきた いと思っています。日頃分子研について思っていることをさらけだしていただき、大いに活を入れてください。

会の後半は分子科学のいわゆる境界領域について、それぞれの立場からお話をしていただきます。境界領域といい ますが、現在では分子科学の中核が果たして何であるか非常にあいまいになっています。分子研設立当時に考えてい

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